(45)OneDriveで困っています。

マイクロソフトが提供するOneDriveというサービスが始まってからだいぶ年月が経過した。いろんなユーザーをサポートする立場にある筆者が感じることとして、マイクロソフトは強制的にOneDriveを使わせようと仕組んでいるように感じてしまう。そうではないと言うならOneDriveを使わないという選択肢があってしかるべきだし、意図せずOneDriveが入り込んだ場合であってもOneDriveを使わないでいた頃の状態に簡単に戻せるようにしておくべきである。

そんな否定的なもの言いの筆者自身であるが、OneDrive(無料の容量内で)を使っている。どのように使っているかといえば、パソコンではいちいち「Edge」からOneDriveに入って利用するし、スマホでは直接Excelを開いてOneDriveのExcelデータに入力する。つまり、パソコンにもスマホにもOneDriveのアプリはインストールせずにその範囲内でOneDriveの機能を利用している。最近購入したWin11のパソコンには初めからOneDriveがインストールされていたのでアンインストールした。もちろん同期の機能は怖くてとても利用する気にはなれない。

筆者は何件かのサポート先でOneDriveに関係する訳の分からないトラブルを見てきた。まず、何がきっかけでOneDriveがPCの中に入り込み動き始めるのかが分からない。普通に考えればOneDriveはその機能を必要とする人が任意にダウンロードしてインストールして環境設定して使えばいいはずであるが、OneDriveはそうではない。いつの間にか密かに入り込んでいる。OneDriveが何者なのか知る由のない、かつ、調べる気のないユーザーにとっては、マイクロソフトの策略にまんまと引っかかってとんでもないトラブルに巻き込まれてしまうのである。

筆者は複数の客先でトラブルが起きる前の状態にするのに大変な苦労をしてきた。というかほとんど未解決に終わっていて消化不良を起こしてきた。

中でも、OutlookのpstファイルがOneDriveに移ってしまいOutlookでメールの送受信ができなくなってしまい、何とか再設定して送受信できるようにしたのにも拘わらず、調べていくと、連絡先データがOneDriveにあるpstファイルにリンクされてしまい、「連絡先」では登録されている連絡先を見ることができるのに、メールメッセージを新規に作成するときに登録済みの宛先を検索すると連絡先が空っぽなのである。つまり、「メール」のpstファイルは既定の場所のドキュメントフォルダ内に、「連絡先」のpstファイルはOneDriveフォルダ内に、別々にリンクされてしまっているのである(たぶん)。

なぜそんなことになったのかと憤慨されるエンドユーザーにとっては、はじめから積極的に使いたいとも思っていないOneDriveが勝手に入り込んだためで、まったく寝耳に水の出来事なのである。

実際にインターネットで検索すると、OneDriveに関するトラブルは多く、そのほとんどが解決に至っていないようである。OneDriveを使う前の状態にすっきり戻すにはどうすればいいのか、その解決の手順をマイクロソフトが責任をもって公開するべきである。