(44)Fusion Driveが分割されてしまう原因は何なのだろう。

2016年12月に購入した2TB Fusion Drive 搭載のiMac27が、起動の途中に突然電源が落ちた。前日(2023年8月10日の夜)まで何の問題もなく使えていたのにも拘わらず、である。その後は起動途中や、起動した後でも電源が勝手に落ちる頻度が増加し発生間隔もどんどん短くなって、何度も繰り返すうち起動しなくなった。

このiMac27は仕事で使用していたのだが、2021年の半ば頃だったかと思うが突然起動しなくなって、MacOSの再インストール(初期化)を余儀なくしたことがあり、それからは怖くて仕事に使う気はなくて私的に孫や猫たちの写真をスクリーンセーバーで眺めてみたり、YouTubeを見たり、音楽を聴いたり、スペックの割にはとても緩いことだけに利用していたのである。もともとゲームはやらない。だから、もしかしたら気が付かないところでいろんな症状が出ていたのかもしれない。イラレとかフォトショップとか動画編集とか重たいことは一切していなかったので気付かなかったのかもしれない。

つまり、2016年12月の使い始めからイラレとかフォトショップとか重たいアプリをガンガン使っていたが、その6年目(2021年)と8年目(2023年)に大きな障害を起こしたことになる。

 

8年目(2023年8月11日)の障害は、TimeMachineからの復元も、Command+Rでの起動によるOSの再インストールも、Option + Command + R:起動も、Shift + Option + Command + Rも、何をやってもその作業途中で電源が勝手に落ちてしまい復旧作業を進めることができない状態になってしまったのである。

 

この障害は購入から8年目のことであり、やや早い感じだけれどマザーボードや電源ユニット系に寿命が来たのだろうとしか思いが及ばず(もったいないなあと思いつつも)、近いうちに廃棄しようと決意し部屋の隅に放っておいたままになっていた。つい2、3週間前にも電源を入れてみたが、1度目は電源が入った時のバーンという音がして起動しかかったので、もしかして、奇跡が起きるかもと思い、MacOSを再インストールしようとしたが、2回目の起動からはうんともすんとも言わなくなり、数時間、間をおいても電源すら入らない状態だった。完全にこと切れているなあと諦めが付いた瞬間だった。

27インチとデカいので廃棄するにも梱包する適当な箱がなかなか手に入らないでいたのだが、まあまあ大きめの箱が手に入ったので梱包しようとしたのであるが、我ながら諦めの悪いものだと思いながらも、最後に電源を入れてみようとマウス、キーボード、電源ケーブルを取り付け電源ボタンを押したら、何と起動音がして電源が入ったのである。

30年以上パソコンの障害に対するサポートを生業にしてきた筆者にとって、これは電源ユニットやマザーボードの問題ではない可能性が出てきたと直感した瞬間だった。それからは何回やっても何をやっても勝手に落ちることはなかったのである。

 

その後は、復旧作業での奮闘になるわけだが、まずやったのがcommand+Rでの起動からのMacOS(Siera)の再インストールだった。そこでは途中で、「インストールの準備中にエラーが起きました。このアプリケーションをもう一度実行してください。」というエラーメッセージが出て、何度やっても次に進めなかった。ディスクユーティリティを使って「First Aid」や「消去」を使ってから再挑戦してもやはり同じところで「インストールの準備中にエラーが起きました。このアプリケーションをもう一度実行してください。」というエラーメッセージが出た。

その後、インターネットで調べていくうちにFusion Driveの分割とか分離とかいう情報に辿り着く。確認すると本機もまさにFusion Driveの分割とか分離が起きていたのだ。まずは、Fusion Driveの再構築からである。Fusion Driveの再構築は難なく成功したものの、やはりCommand+Rでの起動からのMacOS(Siera)の再インストールでは、途中で、「インストールの準備中にエラーが起きました。このアプリケーションをもう一度実行してください。」というエラーメッセージが出て次に進めなかった。

そこでインターネットでもっといろんな方の情報に触れていくうちに、Option + Command + R:起動で直近のMacOS (Monterey)の再インストールに成功した事例にでくわした。

 

実は、2年前のMacOSの再インストールの時の、すったもんだした挙句にOption + Command + R:起動で直近のMacOS(Monterey)を再インストールする方法で復旧に成功した記憶がよみがえったのである。(正確には、MacOSのコードネームが何であるかを記憶していたわけではなく、デフォルトの背景画像に見覚えがあった、程度の記憶である。)

 

こうして復旧は無事成功し、TimeMachineからのOS以外の復元も済んで2023年8月10日21時頃の状態の復元まで、一度も勝手に電源が落ちることはなかったのである。もう廃棄しかけていたのに、イタチの最後っ屁というか未練たらしい筆者の性格が功を奏し、この時ばかりは高価なものを失わずに済んだのである。

 

それにしても、Fusion Driveの分離、分割の発生メカニズムは何なのだろう。こちらが無意識に何かしたのだろうか。MacOSの再インストールが必要なくらいの何らかの落ち度があったというのか。何をすればFusion Driveが分離、分割されてしまうのか。

筆者の感じでは筆者のiMacは、時間の経過とともにいずれFusion Driveの分離、分割が再発するだろうと踏んでいる。だから怖いのである。でも今のところFusion Driveの分離、分割の原因についてインターネット上に納得のいく答えは見当たらない。

筆者の経験的な感想を述べるならFusion Driveの分離、分割は一気に進むのではなく徐々に進行していき、完全に分割された状態になるまでは不安定な動きをしながらも使える状態の時もあるし、時間とともに電源が勝手に落ちだして、完全に分割が進んでしまうまでは手が付けられないほど、診断作業や復旧作業など、何をしても電源が勝手に落ちてしまう。のではなかろうか。あくまも勝手な想像に過ぎないが悪しからず。