(38)大腸がん検診の勧め

昨晩遅く兄からLINEで突然、米寿の母が大腸がんで入院したと連絡を受けた。

筆者は後悔している。十数年前のあの時、騙してでも母に検査を受けさせておくべきだったと。

50歳を過ぎた十数年前に、筆者は大腸ポリープの摘出手術を受けた。その時が人生で手術らしい手術の初めてのことだったので何となく自慢げな気になり母にも一部始終を話した。大腸がん検診は便を2回分提出して陽性となれば精密検査となり、ポカリスエットを吐き気がするほど不味くしたような液体の下剤を大量に飲んで腸内を空っぽにしなければならないのだが、この下剤を全部飲みきるまでがとてもきつかった。その次に肛門からカメラを差し込まれて大腸の内壁をポリープを含め疑わしい箇所をくまなく探すのであるが、麻酔無しで先生の説明を聞きながら、空気を送り腸内を膨らませ体の向きを変えたり、見つけたポリープに着色したり、切除したり、ホッチキスみたいな何かでパチンと挟んで傷口を止めることなど一部始終をモニターで見ながらであった。術後、翌朝まで引っ切り無しに便意があり、そのたびに大量の血便で恐怖にかられた一泊中の出来事や、同時期に同級生の友人が大腸がん摘出手術を受け、横っ腹に穴が開けられ、そこから用を足していることも含めて、それらのことを全部説明した時の母の反応は、そんなに恥ずかしいことは絶対嫌だ。という反応だった。創価学会信者の母は、そんな病気にはならない自信があったのかもしれない。

その後も筆者は、毎年大腸がん検診を欠かさず受けている。その結果、数年前にも大腸がん検診で引っかかって2度目のポリープ切除を経験した。

1回目の時の前兆というか自覚症状は、便に血液が付いているのが目視でき、いわゆる血便という明らかな症状があった。それに対し2回目の前兆や自覚症状は無かった。血便があったのかもしれないが、それに気付くことはなかったが年一回の大腸がん検診でビシッと陽性が出たのである。ポリープの段階を見逃して進行しまうと癌になると聞いていたので大腸がん検診で早期発見することができて本当に良かったと思っている。

ちなみに2回目のポリープの摘出の時は、下剤はそこまで不味くなかったように感じたし、全身麻酔だったので気が付いたらすべて終わって入院無しですぐに帰れた。