(43)Adobe社さんとApple社さんに言いたい

MacBookPro(M2)のmacOSを最新版Sonoma(14.1.1)にアップグレード後に、AdobeのIllustrator2024(28.0)の不具合(ドキュメント情報の操作時に「“Illustrator”のアップデートが必要です このバージョンのエラーが発生したので“Illustrator”は、macOS14以降と互換性がないためアップデートが必要です。詳しくはアプリのデベロッパにお問い合わせください。」)が発生して、OKをクリックするとIllustratorが勝手に落ちる現象に見舞われた。

Adobeサポートに電話して尋ねると、似たような現象が他にも出ており、Illustrator2024(28.0)に対する修正プログラムが出るまでお待ちください。(我慢するしかない)とのことだった。アプリ開発側がそういう見解なのだからそれ以上どうすることもできないので、ドキュメント情報関連の機能を使用しないでやり過ごすしかないのか。しかしドキュメント情報の関連の操作は入稿時にどうしても使用する機能だし、ドキュメント情報の関連の操作で発生する不具合以外にもこの先まだまだ別の不具合が発生するかもと危惧され仕事の進捗に影響が出るようで気が気でなくなる。

そこで、macOSを最新版Sonoma(14.1.1)にアップグレードする前のmacOS Ventura(13)にダウングレードすることにした。

筆者の頭の中では、TimeMachineのバックアップからSonoma(14.1.1)にアップグレードする直前の状態にOSごとすべてを戻せばいいのかなあ、ぐらいに考えていた。

しかし、いざやるとなってもめったにやる機会のないTimeMachineからの復元処理なので、まったく自信がない。ネットで情報を漁るが何か釈然としない。そこでAppleサポートに電話して確実なダウングレードの手順などを聞いてから実行することにした。

Adobeサポートの電話口の女性は、「ご安心ください。手順をご案内しますね。」と、とても頼もしげだった。しかし、途中何分も待たされた上に、詳しい上司に代わることに。代わって出てきた上司さんが案内したとおりにやっていくと、結果的にSonoma(14.1.1)のままでしかも、初期化(アプリやデータが全部消去)が実行されてしまっていた。

電話はいったん切れていたので、お昼休み後にもう一度電話を掛けていきさつを説明し、こちらの意図を正しく伝え、その場合、TimeMachine のバックアップからOS丸ごと不具合なく動いていた時点に復元したい意向を伝えたところ、以前の古いOS時代のTimeMachineでは、OS丸ごとバックアップしていたので、OS丸ごと復元も可能だったのだが、最近のTimeMachineは、OS以外のバックアップしかしていないとのこと。

 

これには筆者は驚いた。筆者はこれまでWindows系のパソコンとMacのパソコンの比較において、TimeMachineというバックアップの機能が標準でついているMacにとても安心感が持てていたので、OSを含まないTimeMachineというバックアップの機能に何の意味があるのかと一気に落胆してしまった。今回の問題で果たして無事復元できるのだろうかという不安は増すばかりだった。

 

それでも、復元できることを祈る思いでOSのダウングレードのやり方を教えてもらった。また、ダウングレード実行後にTimeMachineからのアプリなど環境全体の復元までを考えていることを伝えると、電話口の担当者曰く、OSのダウングレードそのものがあまりありえないこととして想定していない。その上でTimeMachineからのアプリなど環境全体の復元については、やってみないと分からない。とのことであった。

 

15GB以上の空のUSBメモリーを用意し、macOS Ventura(13)の起動ドライブを作成し、電源長押しからのUSBメモリーで起動。MacBookPro(M2)のインターフェース仕様が最小限しかない状況で、ネット接続も必要な上に、USBメモリーとTimeMachineのドライブを付け替えながらひやひやしながらのダウングレード作業となった。

ダウングレードは順調に辿っていって、TimeMachineからの復元までウィザードで進んでいった。

macOSダウングレード作業後の最初の起動時には、AppleIDの入力やノートンワコムなど環境設定が必要だったが、Illustratorの不具合は出なくなった。

 

こういう経験をしてみてこの2社に言いたい。

Appleのサポートの担当者は、言い訳せず、ダウングレードはあり得ることだから起きる前提で実機でもって復旧などの作業を経験済みのエキスパートであってほしい。

また、Adobe社には、今の、Adobe社サイトのIllustrator2024(28.0)必要システム構成だとmacOSの最新版Sonoma(14.1.1)において、AdobeのIllustrator2024(28.0)は問題なく動作すると思ってしまう表現になっている。Adobe社にはmacOSの最新版Sonoma(14.1.1)において、AdobeのIllustrator2024(28.0)は不具合が発生するので対応不可であると、正しい情報を包み隠さず掲載してほしい。