(56)セキュリティ対策ソフトは、偽の警告や偽のサポート画面の出現を未然に防げるのか?

4月26日のYahooニュース「国内のサポート詐欺は年間900万件以上、100万円以上の被害も3件確認」というタイトルの記事を読んで、「あれっ?」となった。

 

記事では、「トレンドマイクロによると、2023年に同社のセキュリティソフト製品「ウイルスバスター クラウド」で検出、ブロックしたサポート詐欺関連サイトへのアクセスは900万件以上で、単月では11月に最多の143万9365件を記録した。端末数ベースでは、平均で毎月約25万台がアクセスしてしまっており、フィッシングサイトにアクセスした同21万台より1.2倍も多いという。」という内容を含む記事だった。

筆者は、30年以上にわたりパソコンの販売とサポートを生業としている。この数年で偽の警告や偽のサポート画面を出現させる手口に対するお客様からの対応要請が4件あった。その内、実際に被害(プリペイドカード6万円分)にあわれた方も1件あった。

その4件のお客様のパソコンには、トレンドマイクロ社の「ウィルスバスタークラウド」と「Trend ツールバー」の組み合わせ、もしくはBBIQが提供する「マカフィーマルチデバイスセキュリティ」と「マカフィーウェブアドバイザー」の組み合わせがインストールされていたのである。にもかかわらず、この問題の偽の警告や偽のサポート画面が出たのである。これは一体どういうことなのか、トレンドマイクロ社とBBIQの2社に特別な設定などがあるのかも含めて問い合わせてみたのであるが、いずれも、偽の警告や偽のサポート画面の出現を未然に防ぐことはできないという回答だったのである。

 

上記の回答を得たのでこの問題に対しては、一般的なセキュリティ対策ソフトは効力がないという結論であると理解し、すべてのお客様にこの問題に対しては、一般的なセキュリティ対策ソフトは効力がなく、改めて注意喚起を促そうと準備していた矢先に、冒頭のYahoo記事が出たのである。

 

トレンドマイクロ社に再度確認の問い合わせを2024年4月26日にしたのであるが、ゴールデンウィークを挟んでいるでいるせいか、同年5月8日現在返事はない。