(30)太陽光発電の設置前の業者の試算を公的機関がチェックすべき

東京の小池都知事が新築住宅建設に対して「太陽光発電義務化」の条例案を打ち出そうとしている話題を耳にして、筆者は果たして大丈夫なのかと思ってしまう。

筆者は、2011年の暮れに我が家の屋根に太陽光発電を設置したが、設置後すぐに業者に騙されたと実感した。つまり、業者の見積もり段階での説明では、赤字になることはないという計算書を提示していたにもかかわらず、今までただの一度も黒字(電気料金支払いとローン支払いよりも電力会社からの買取収入が上回る)になった試しがなかった。業者のミスとか経験不足の思い込みだったのかもしれない。

いずれにしても、慎重さに欠けた筆者が悪いのは分かっているが、その業者は、設置から数年後にあまりにもひどい赤字を気にして、3年に一度赤字分を補てんしてくれる約束をしてくれたのだが、補てんしてくれたのは7万円程度を1度だけで、その業者は数年前に倒産してしまい、赤字補てんどころかメンテナンスをしてくれる当てもなくなった。(製品自体に問題はなさそうで今も発電量は目立って落ちてはいないのが救いだ。)

今は、発電した未使用分の特別買取期間も期限切れになり買取単価は見たくもないような低い単価で、この先もずっと大きく赤字のままなのである。

 

今の買取単価は10数年前の高単価と違いかなり低いらしいから、業者があくどい計算を提示する可能性が高くなる。だから、公的機関が業者の出す試算式や値のチェックはもちろん、設置後の実情まで責任を持つように制度化して欲しいのである。さもなければ、地球温暖化のために一役買ってみようとする勇気は報われない。

 

国や地方が推し進めた優遇制度(補助金や買取制度など)があっても、取り扱うのは民間の業者だから悪い業者にあたってバカを見るのは、われわれである。