(20)宅配業者3社のミス

筆者は令和2年現在個人事業主となり13年以上になる。何もかもひとりでこなさなければならない筆者は外出する仕事も多い。そんな筆者にとってネットで求めた個人的な物品も、お客様のために仕入先に注文した商品も、それがいつどこから発送されいつ届くのかについて追跡番号で調べることは常である。時には台風などの物流遅延を引き起こすような情報も気にしなければならない。

ネットでの仕入れ商品の発注の場合、サイトによってはその発注した商品をいつ届けてもらうかを指定できる場合がある。サイトのシステムがはじき出した候補日や配達時間帯を選択できるのである。これは筆者にとってはとてもありがたいことで、確実に事務所にいる日時を指定できるわけだから確実に荷物を受け取れるし、宅配の運転手さんに不在による再配達をしてもらうようなご迷惑を掛けないで済むのでとても気が楽になる。

そんな日時指定したケースで、最近腹立たしい事件が起きた。

その日は午前中の配達指定だったのだが、正午を過ぎても届かなかったのだ。実は同時に発注したもう一つの商品は、同じ佐川急便のいつもの軽トラの配達員の方が9時台に届けてくれていたのである。その配達員の方にもう一つ荷物があるはずですがと尋ねると、大きさが違うと別の便で配達するかもしれませんね、とのこと。荷物の大きさは2個ともさほど変わらないはずで、同じ指定日時なのに非効率なことをするものだと思ったが、まあ、異常だとまでは感じなかった。

それが正午を過ぎて12時20数分になっても、もう一つの荷物は届かなかったのである。佐川急便の営業所に電話で問い合わせてみると、電話口に出た女性は、申し訳ございませんとお詫びし、とにかく急ぎ調べて配達するようにします。と電話を一旦切ってその場を逃げたい様子だった。

こちらとしたら、9月の4連休の祝日の月曜日の午前中に指定し、朝から一歩も外出せず待っていたのである。既にまさかそんなことがあっていいのかというムカついた腹持ちだったので、さすがにひとしきり吠えて、堪え切れずに途中で通話を叩き切ってやった。

その数分後、改めて男性の方から電話が2回あった。1回目は、確かに荷物は営業所に届いているが、どこにあるか所在が分からない。鋭意スタッフ総出で探している。配達区割りに似た町名があり、そちらに持ち出している可能性も含めて捜索しているのでもうしばらく待っていただきたいとのこと。

そしてその数分後、先ほどの男性から2回目の電話があり、荷物を探し出しましたので今から配達に伺いますとのことだった。

腹が立っていたのでIT業界の端くれで飯を食って30数年、佐川急便ともあろう大企業が、日時指定のついた荷物だけでも、指定の時間に間に合うように間違いなくトラックに積まれたのかチェックをやるべきだ。システムを利用しプログラムを組めば簡単なことでできないはずはない。とガンと一発クレームを入れてやった。それに対しそれができないのですと何とも情けない返答が返ってきたのである。時間指定の荷物のリストでもって積み込み忘れがないかチェックすることができないはずはない。このままでは、コトが起きてから対処することしかなく、これからもこの問題が再発するのだろう。

このような宅配の事例は、枚挙にいとまがない。福山通運でも、配達予定とされる日になっても配達されないので電話してみると、なんと、その荷物が出荷元の福山通運の営業所にまだ残っているとのことだった。この時には、競争している会社に頭を下げて同等の品物を市場価格で買い求め、その30kgもある重さのものを自分でその日の内に配達するという対応をしなければならなかった。こちらは利益を失った上に、無駄な手出しをし、労力と手間を食ったのである。福山通運の営業所の対応した責任者であろう男性は、その損失の補てんにはまったく応じることはなく開き直った。こんなケースは日常茶飯事なのか慣れた様子だった。泣き寝入りもいいところだった。

また最近のことだが、クロネコヤマトの宅急便もおかしな対応をした。不在による再配達が気の毒なので、月に必ず1、2回注文するあるメーカーの消耗品については、このクロネコヤマトの宅急便の営業所止めにしている。すでに営業所に到着しているはずでしかもその数日経過後に受け取りに行った時のことである。対応した男性に筆者の名前と梱包の段ボールの大きさ、印刷されている模様の色などを伝えたが、横の荷物置き場に引っ込んで1分程度で該当の荷物が見当たらないとのこと。追跡番号はありませんかと言われたので、ありませんと答えるともうこれ以上探しようがないといったような対応だった。ベテランらしくあまりにもスムーズにそう言われるので本当にまだ荷物が届いていないのかもと思い諦めて帰宅した。いつもは、名前だけでスッと出てくるのになあ、と思いながら。

帰宅してから、でもメーカーに注文してから数えるともうとっくに到着している計算になるので、念のため仕入先に問い合わせてみるとこちらのクロネコヤマトの営業所に2日ほど前に到着していることになっているとのことだった。

そこで、電話して事情を話すとすぐに荷物がそこにあることが分かり、追跡番号がないと荷物を受け取れないのかとも聞いたら、いえそのようなことはなくお名前だけでも探してお引渡しできますとのこと。対応した者の名前は誰だったでしょうかと犯人捜しの手伝いまでさせられそうになったので、いよいよ頭にカチーンと来てその不親切な男性は誰だったかは勝手にそっちで探せばいいことだ。とにかく二度とこのようなことのないように善処してもらいたいと激怒したのは言うまでもない。

つい最近も、クロネコヤマトの宅急便の営業所に例の荷物を受け取りに行ったのだが、自分の名前を言っただけで荷物はスッと出てきた。