(8) Appleの事例

2016年7月26日火曜日の早朝、あるiMacユーザーからの電話で叩き起こされた。寝起きの頭と声で申し訳なかったが、状況を聞くとこうだ。

いつも多忙な週明けの月曜日、つまり昨日の晩までフル稼働だったiMacが、今朝は起動がおかしい。ログイン画面になっているようだが、数ミリの幅で数センチの長さの横のラインが縦にずらっと並んだ帯が、画面にずらっと並んだ表示(下の図みたい)になり、操作ができない状態に陥り、再起動やピーラムクリアなど色々試すがどうしても正常起動してくれないとのことだった。

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とにかく急行したが、状況は変化していた。メインスイッチを押しても、長押ししても、電源ケーブルを抜いてしばらくしてからボタンを押してもまったく何の反応もない状態になっていた。電源が入らないのだ。

9時過ぎにAppleサポートに電話して、引き取り修理となった。5万を少し超えた額で、定まった料金とのこと。故障個所以外もすべて念入りに点検したうえで返却されるとのこと。

納めたのは、2014年11月だから導入後僅か1年8か月での大きな出費となるのである。エンドユーザーのオーナーにとっては、一つ返事で「はい分かりました。」とはならない金額だし、何でこんなに早く故障するのか、何が原因なのか追求したくもなる。

でも、こういったケースの場合、メーカーは原因を明らかにはせず、症状の確認と対処した内容だけの修理報告となるのが普通である。しかも辻褄が合わない表現もあり、それを追求しても、納得の行く情報を開示してくれた試しはない。(別の事例で筆者は経験済み)

だから、そこのオーナーは、日頃そのiMacを使用している担当者の使い方が粗いとか、私用で仕事に関係ないアプリなどが影響したのではないかとか、使い方の指導を再度して欲しいとまで言及された。

Macで長年デザインの仕事をしてこられた方に対し、使い方のあれこれを改めて説明することは中々であるし、私的利用について部外者の筆者が、お客様に言えたものではない。それは、その会社の問題であろう。

Windows系のビジネス用途の パソコンは、各社保証は最長で5年設けてあるのが普通である。現状AppleCareは、iMacで3年である。

Apple社も、Windows系メーカー と横並びに、ビジネス向けの5年も設けて欲しい。できないというなら、それは、Apple社の努力不足ではないか。

わずか1年8か月で何の予兆もなくいきなり起動できなくなる状態になった原因が何なのか究明されずに、ただ一律に高額な修理料金を払う選択肢しかないのは、かなり強引と言える。単に、ひとつの故障事例として簡単に処理できるものと、そうではないものと区別をして対応することがメーカーとしての度量であり、その対応こそがユーザーからの信頼を得られるものと思う。